※インタビュアー鉄子:以下 鉄子
林 奈緒子さん:以下 林
〔鉄子〕
林さんがこの業界に入ろうと思ったきっかけを教えて下さい。
〔林〕
中学生の頃、女の子からいじめにあっていたんです。
それで人生を変えたくて女子高に進学したのですが、特に何かに打ち込めたわけでもなくなんとなく過ぎていって・・・。
どうしたらいいかわからず悩んでいた時に、鉄筋工の仕事の募集を見つけました。
外で働く仕事がしたかったのと、
男の人に負けたくないという気持ちもあってこれしかないと思い、
鉄筋工の仕事募集を見つけました。
もちろんその時募集していた会社というのが今私が働く会社、ディビーエスです(笑)
〔鉄子〕
入社して最初の仕事を覚えていますか?
〔林〕
たしか結束の縛りですね。基本中の基本からですよね。
加工場での研修も3ヶ月くらいありました。
少しずつ現場に出て結束を学んだことを覚えています。
〔鉄子〕
なぜ職人になりたいと思ったのですか?
〔林〕
とにかく外で体を使って仕事が出来れば何でも良かったんです。
たまたまそれが鉄筋工だったというだけで・・・。
男の人に負けたくないという気持ちと、男の人への憧れもあったのかもしれないですね。
それでも働いていくうちに、どんどんこの仕事の魅力にとりつかれていくのが分かりました。
〔鉄子〕
鉄筋工の仕事は女性でも出来る仕事ですか?
〔林〕
女性だから出来る出来ないではなくて、やろうと思えば何だって出来ると思います。

1回やってみることが大事なんじゃないですか?
やってみなきゃわからないですし、やってみたら面白かったなんてことはいくらでもありますよね?
親方にはきっちり厳しく育てていただきました。
もちろん怒られることもありましたし、男女の区別をされることもなかったです。
男の人たちと同じように重い鉄筋を運びましたし、キツイ仕事も同じようにしてきました。
だからこそ今の自分があるのだと思いますね。
〔鉄子〕
プロの職人とはどんな職人のことを言うと思いますか?
〔林〕
技術的なことはもちろんですけど、周りの人たちに対して気が利く人じゃないですかね?
怒るべき時はしっかり周りを意識して怒ったり、優しく接したり、楽しく冗談を言ったり・・・。
いろんな意味で機転が利く人が本当のプロの職人なんじゃないかなと・・・。
〔鉄子〕
常に仕事において大切にしていることは?
〔林〕
まさに周りに気を使うことですね。
当たり前のことかもしれないですけど、周りを見て困っていれば助けたり、
悩んでいるようであれば話しかけたり、自分の立場をしっかり理解して動くようにしています。
どうしても仕事柄、男性の部下や下請け業者さんと接する機会が多いので、当然気を使うことも多いですが、
そこはしっかりと立場をわきまえて接しています。
最初はお互いにやりにくかったと思いますけど、今ではお互いに理解しあえていると思います。(笑)
〔鉄子〕
若い人たちに鉄筋女子として伝えたいことは?
〔林〕
職を選ばないでほしいですよね。
やってみなければその仕事の良さはわからないですから。
思い切ってチャレンジしてみてほしいですね。
男性でも女性でも、若い方にどんどん入ってきていただいて、
私がこれまでに学んできたことをすべて伝えたいと思っています。
それが私の小さな夢です。
〔鉄子〕
林さん、本当にありがとうございました。